覚えておいて欲しい!ハワイ不動産の『名義と相続と税金』の深い関係

お金のこと〜税金

こんにちわ。Kanae です。

ハワイに物件を買われるとき、物件の所有者を誰にするのか?(『人』なのか『法人』なのか)、また、所有形態はどうするのか?と聞かれます。

思ったよりこれが重要なんです。

この『所有形態』と相続と税金は、切ってもきれない仲なのです。後々、物件を売却する際に、『あ〜、こうしておけば良かった!』と思わないために、その関係性について書いてみました。気になる方はぜひご一読を!

 

ハワイ不動産の所有形態は4つ

 

ハワイに不動産を持つとき、下記の4つの中から所有形態を選択します。通常、エスクローを開設してから遅くとも15日以内に、物件を所有する人のフルネーム、もしくは正式な法人名をエスクロー会社に届け出なければなりません。

 

 所有形態 単独所有 分割共有 合有 夫婦連帯
英語では? Tenancy in Severalty

テナンシー イン セヴァラルティ

 

Tenancy in Common

テナンシー イン コモン

Joint Tenancy

ジョイントテナンシー

Tenancy by Entirety

テナンシー バイ エンタィアティ

誰が所有? 単独の個人、または単一の法人/組織 複数の個人、または法人/組織 複数の個人

婚姻関係にある二人

所有の割合 その個人、または法人単体が100%所有 事前に決められた%でそれぞれが所有  均等で不可分

均等で不可分。

婚姻が破綻した場合、所有権は共有名義となり、分割可

同意の必要性  ーーーーーー 他の共同所有者の同意なしに自分の持分を売却、担保、リース、もしくは贈与することが可能  ーーーーーー お互いの同意がなければ、所有権形態の変更は不可
生残者への権利の帰属 ーーーーーー  なし あり  あり
所有者が死亡したら

遺産検証(プロベート)の対象。連邦及び州の資産税が適用

遺産検証(プロベート)の対象。連邦及び州の資産税が適用

遺産検証(プロベート)はなし。自動的に生存している他の共同所有者に所有権が移行

遺産検証(プロベートはなし。自動的に生存しているもう片方の所有者に所有権が移行
 債権

死亡時、債権者は債務返 済を行使可能

債務返済のために、死亡者の持分は売却され、債権者が分割共有権取得可

土地売却前に債務者が死亡した場合、債権者は借金を返済してもらうことは不可

夫婦の両方に債務がある場合のみ、債権者は権利の行使可

Fidelity National Title & Escrow of Hawaii提供の資料に加筆

単独所有名義> これは分かりやすいですね。お一人、または会社単体で不動産を所有します。所有者が死亡した場合、適切な相続の指示がない場合、遺産検証(プロベート)の対象になります。

分割共有名義> 複数の方(または法人)が一緒に不動産を所有できます。例えば、ご兄弟3人で所有権をもち、長男が40%、次男と三男がそれぞれ30%という風に決める事ができます。

(もちろん、家族同士でなくても構いません)各個人が自由にその所有権を売ったりできますので、例えば、長男の40%分のみを他人に売却できるのです。

または、次男の30%分を次男の子供に譲渡することでもできます。(他の兄弟の承諾は不要です)所有者が死亡した場合、適切な相続の指示がない場合、遺産検証(プロベート)の対象になります。

含有名義> 複数の個人が一緒に不動産を所有できます。例えば、夫婦、親と子、伯父と姪っ子と甥っ子、が一緒に不動産を所有できます。『分割共有』と違うのは、所有割合が均等という点です。

ですので、勝手に自分の持ち分を売ったり貸したりすることはできません。所有者のひとりが死亡した場合は、生き残ったほうがその権利を自動的に引き継ぎます。

夫婦連帯名義> これは法律で夫婦と認められた二人が不動産を所有する形態です。二人の同意がないと名義の変更はできません。所有者のひとりが死亡した場合は、生き残ったほうがその権利を自動的に引き継ぎます。

What is probate?

 

遺産検証(別名:プロベート)

これは、『検認裁判=プロベート』とも呼びます。不正に遺産の分配が行われないように、公的機関(裁判所)が故人の家族や親戚関係、遺産を調査/確認し、州法にしたがって分配するという手続きのことです。

ハワイでは総額財産が10万ドル以上の場合に、プロベートが適用されます。

このプロベートにはお金がかかります。弁護士費用だけで通常数千ドル。州の公的機関への手数料で$200~$700くらいです。

時間もかかります。最低6ヶ月、およそ1年〜1年半かかるといわれています。

お金と時間がかかるプロベート。これを回避する為に、アメリカでは『リビングトラスト(生前信託)』を作成し、遺産の分配を生前から決めておくことができます。

日本には遺言でしか相続の方法を決められないので、初めて耳にする方もいるかもしれません。

 

リビングトラスト(生前信託)とは?

リビングトラスト(生前信託)とは、大きな『宝箱』のようなもの。不動産、預貯金、証券などの資産をいれておく『大事な宝箱』だと思ってください。箱に入れられるのは、アメリカで所有する財産のみ。

自分が元気なうちは、ご自分が管理人(管財人=トラスティー)になって、決定権をもつことができます。そして、何らかの理由で自分で管理出来なくなったときのために、あなたに代わって管理する管財人=トラスティーを指名しておく事もできます。

管財人は箱の中身をトラスト文書の指示通りに分配しなければなりません。これがあれば、『検認裁判=プロベート』を受けずに財産や資産をスムーズに相続させることができます。

リビングトラスト(生前信託)の作成は弁護士さんとご相談くださいね。

 

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話がそれてしまいました。

日本の方は特に知っておいてもらいたいのがこれ。

ハワイ不動産と贈与税

 

私のお客様の中にも、日本から送金してハワイに不動産を買われるかたが多いのですが、ここで少し気をつけていただきたい点があります。

少しややこしいので例を使ってお話します。

ご夫婦の例

ご主人がお金を出して(日本の夫の銀行口座から送金して)、ハワイの不動産を購入しました。名義はご主人と奥様の『ジョイントテナンシー(合有名義)』にされました。数年後、この不動産を売却することになり、税理士さんに言われたのが

税理士「これは、日本では贈与課税の対象になりますね」

ご主人「え〜!そんな、、、。妻にはまだなにもあげてませんけど、、、」

このケースの場合、出資は100%ご主人。名義がお二人のお名前。

例えば、1億円のコンドミニアムの場合、夫は妻に5000万円贈与した事になります。贈与税には6年の時効がありますが、その時効までに不動産取得が発覚した場合、課税対象となります。

親子の例

日本に住んでいる親子がハワイに共同で不動産を購入しました。後にこの物件を子供に贈与しました。日本では、贈与税は贈与を受けた人が払う税金です。

しかし、アメリカでは贈与した人が贈与税を支払います。よって、この親はアメリカで贈与税の納税義務が生じます。

 

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所有形態をどうするか、資金はどのように準備するか(日本から送金する際は、その送金元など)、、、私は物件探しをする前に、あらかじめ弁護士や税理士にご相談することをお勧めしています。

 

気に入った物件が見つかって、晴れてエスクローをオープンしたら、たった15日で所有者と所有形態を決めなくてはなりませんので、事前に決めておかれたほうが安心ですね。

 

もっと詳しく所有形態についてお知りになりたい方は

kanaeabe808@gmail.com へメールいただくか

808-228-1716 kanae までお気軽にご連絡ください

 

ここでお話しした内容は情報提供のみを目的としています。法律、会計のアドバイスを提供するものではありません。また、各個人、組織などの状況によって変わる場合がありますので、具体的な税金、相続に関する情報については、税理士、会計士など資格を持つ専門家にご相談ください。

参考資料:Fidelity National Title & Escrow of Hawaii, Escrow Officer Izumi Sawa

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